深いゲーム愛と高いコミュニケーション能力が生む相乗効果 最適な人選による万全のサポート体制|株式会社MIXI

更新日:2025/7/31

プロフィール

株式会社MIXI
福永 裕幸 様
URL: https://mixi.co.jp/

本日はエモーションとコミュニケーションで、「心もつなぐ」場と機会を創造することを目指す株式会社MIXI様にお伺いして、弊社のQAサポートサービスについて、評価・印象など率直なご意見をインタビューいたしました。

「ユーザーサプライズファースト」と「安心安全」の追求

――本日は「モンスターストライク」や、「共闘ことばRPGコトダマン」など有名タイトルを展開している株式会社MIXI様に、弊社のQAサポートサービスについての印象や、評価などを伺いつつ、MIXI様の目指す品質、大事にしている点について、サービスをご利用いただいている福永様にお話をお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。

福永氏:よろしくお願いします。

――それでは株式会社MIXI様がどういった事業を展開している会社なのかをお聞かせいただけますでしょうか。

福永氏:そうですね、いろいろあるので全部説明するのは難しいのですが、大きく分けて、デジタルエンターテインメント、ライフスタイル、スポーツの3つの事業領域を主軸として展開しております。

デジタルエンターテインメント領域では、「モンスターストライク」や、「コトダマン」、御社にご協力いただいている「モンソニ!」といったゲームをリリースしております。

つぎにライフスタイル領域では「家族アルバム みてね」を軸にした写真プリントやGPSサービスに加え、会話AIロボットRomi(ロミィ)やサロンスタッフ直接予約アプリ「minimo(ミニモ)」などを展開しています。そしてスポーツ領域では、競輪・オートレース投票サービス「TIPSTAR」を運営するほか、グループ会社ではプロスポーツチームの「千葉ジェッツ」「FC東京」を運営しています。

――ありがとうございます。では次に、福永様の所属されている部署と担当業務についてお聞かせいただけますでしょうか。

福永氏: はい、私はデジタルエンターテインメントオペレーションズ本部 モンスト開発部 QAグループでマネージャーをしております。業務内容は名前にある通り、弊社のスマートフォン向けゲームとして配信しているモンスターストライクの品質保証業務を基本的に担当しております。弊社は、各プロダクトにQAグループを配置しておりますので、MIXI全体のQAではなく、モンスターストライク関係の専任として、ゲームアプリや関連ウェブサイトのリリース前に、事前チェックを行うことが主な業務です。

――モンスターストライクに関連するものを幅広くチェックしているということで、かなり大変な業務だと推察しますが、福永様が業務で大事にしていることをお聞かせいただけますか。

福永氏まず、プロダクトの前提として、「モンスターストライク」から弊社で定義されるようになった、「ユーザーサプライズファースト」という考え方を軸にしております。モンストのような娯楽コンテンツは、「幸せな驚き」というものを大切にしており、端的に言えば、モンストは生活必需品ではないので、「楽しさ」や「ワクワク」といった体験を価値として、ユーザーにお届けすることを大切にしております。

QAとしては、その中で「安心安全」も重要視しておりますので、ユーザーの「楽しいと思える体験」をサポートすることを使命だと感じて業務に取り組んでいます。不具合ゼロというのは理想的ではあるのですが、現実的には難しいです。そのため、多くのユーザーが「新しい体験を安心して楽しめること」、「スピードと品質のバランス」を意識しながら業務を進めています。

――モンスターストライクはリリースしてからだいぶ経過しているにも関わらず、今も高い人気を誇っているのは、福永様のおっしゃっている「新しい体験を安心して楽しめること」や、「スピードと品質のバランス」を大事にされていることが、ユーザーにも伝わっているからだとあらためて感じます。

QAサポートへの評価:積極的なコミュニケーションと「ゲーム愛」

――ここまでは、MIXI様と福永様についてお話しいただきましたが、IMAGICA GEEQについても伺っていきたいと思います。現在、弊社のスタッフが何名か御社へ常駐していますが、弊社のQAサービスをご利用いただく中で、「助かっている」と感じられる点があればお聞かせいただけますか?

福永氏: まず、御社に対して感じているのはどの方も「対応が早い」ということです。また、気軽に相談しやすい雰囲気があり、こちらに非常に配慮いただいていると感じています。中でもスタッフの方々は、こちらの要望に応じて、ゲーム経験が豊富な方をアサインしていただき、実務においては冷静に柔軟な対応をしてくださっています。

また、「モンスターストライク」はサービス開始から10年以上経過しており、チームの中にはタイトル初期からいる方もいれば、途中から参画してくれている方も多くいて、大規模なサービス展開となりました。ただ、長く続いているからこそ仕様が複雑になり、状況が変わっていく中で過去の情報をきちんと把握することが非常に重要になっています。

そういった場面では様々な人と自分から積極的にコミュニケーションをとっていく必要があります。さらに、長年の運用で人の入れ替わりもあり、「このやり方で進めれば問題ない」と言えるものがありません。

そうした中で御社からきていただいたスタッフの方には、それぞれが現状を踏まえて、どう動くべきかを判断していただけることを期待していますが、その期待にも応えてくれていると思っております。

――現場の状況に合わせて動くことは、簡単そうに見えて実は難しいことなので、適切な対応ができているようで安心しました。その他にも何か印象に残っているエピソードはありますか。

福永氏: そうですね。これまで何人かの方には、「これは他の人には見つけられないのでは」と思うような不具合を見つけていただいています。さらに、それを楽しそうに報告してくださるので、「ゲームが本当に好きなんだな」ということが伝わってきます。不具合というのは開発者にとって、「重箱の隅をつつく」ような特性があるので、深刻な雰囲気や、「また見つけてしまって申し訳ないな…」という感じで報告されるよりも、「すみません、こういう不具合ありますから直してもらえますか、それとも許容になりますか?」というように、気軽にコミュニケーションを取っていただける点が、こちらの精神的な負担も軽減されるため、非常にありがたく感じていますし、そうした姿勢が特長的だと思っています。

――ありがとうございます。常駐スタッフに求められるスキル要件を営業担当から確認したうえで、コミュニケーション力を重視して人選しております。その結果、お話しいただいたようなやり取りを行えているのだと思います。

コミュニケーション能力を活かした提案が、品質向上への期待につながる

――次に、弊社のQAサービスに関して、課題や今後さらにご期待される点などのご要望などありましたら教えていただけますか?

福永氏: 要望としては、検証においては単なるテスト視点だけでなく、ゲームデザインの基礎的な理解やジャンルごとのプレイヤーの期待値を踏まえた視点も重要だと考えています。
なので、業務時間内で構いませんので、「モンスト」ならではの魅力がどこにあるのかをユーザー目線で深堀いただき、その気づきを共有いただけると大変ありがたいです。
また、私たちのタイトルは「ひっぱりハンティングRPG」というジャンルですので、
プライベートで感じているRPGゲームの面白さを感じている部分などコミュニケーション能力を活かして、他の方と情報交換しながら意見発信をしていただきたいです。

――品質の部分はゲーム性も踏まえ、重要だと思いますので、御社で就業させていただいている経験を活かして、そういったところも積極的にスタッフから意見が出るようこちらからも働きかけていきたいと思います。

福永氏: 「スタッフから意見が出るように」という点に関して、先ほどの、御社からご助力いただいている部分を少し補足させていただきます。「当たり前品質だけではなく魅力的品質」と言われたりしますが、+αの付加価値として、我々QAグループ全体で企画提案をしています。現在は2ヶ月に1回か、1ヶ月半に1回バージョンアップをしていますが、1バージョンに1回もしくは2、3バージョンに1、2回ぐらい、QA側から提案した機能や改修が実際に導入されています。本当に通るものというと10、20ある提案の中でようやく1個、というものではあるのですが、そういったところでも御社のスタッフの方々は、チームの中で情報や意見を交換しながら、積極的に様々な提案を上げていただいていることは、非常にありがたいと思っております。

――長期に関わっている案件に関しては、「その案件が好き」ということも重要です。そういったところで意見出しができているのは良いことですね。自分の意見が通るとモチベーションにもつながります。スケジュール的にも、なかなかQA側からの意見が通ることは少ないので、とても作業のしやすい環境と感じました。

福永氏: QAの業務では一般的に、期待値の変更に対する提案は全て通ることはないにしても、ほとんどダメだということはないと思います。でも、この企画提案となると、通ればラッキー程度に気持ちの切り替えをしなければいけません。その点、御社のスタッフの方はきちんと業務の内容によって切り分けが行われていて、非常にありがたいと思っています。

社内と社外をつなぎ信頼感を築く、フラットなコミュニケーション文化

――弊社のスタッフが状況を理解し対応できているようで、安心しました。

今回のインタビューに合わせて、就業させていただいているスタッフからの声を集めたのですが、非常にコミュニケーションを重要視されていて、1on1なども定期的に実施していただき、社内と社外のスタッフを分け隔てなく、公平に扱われているという話を各スタッフから聞きました。これは昔からの文化なのでしょうか、それとも何か課題などがあって、徐々に今のような環境に移行されたのでしょうか。

福永氏:その両方とも会社から明確なオーダーがあるものではありません。ただ会社側からも「コミュニケーションは大事にしたい」という情報共有があって、仰っていただいた1on1という文化は、社内の中では基本的に直雇用同士は推奨するスタイルです。

一緒に働いていただいている皆さんとの情報共有や、認識の齟齬をなくしていくためには、1on1だけではなく、班やチームの中でのコミュニケーションがやはり必要であると感じており、プロパーの方にも入ってもらって、「寝食を共にする」や「同じ釜の飯を食う」とまではいかないにしても、そういったことを自覚して、お互いの信頼感を築きたいと考えています。我々側も信頼していただかないと、業務を進める上で難しい部分もありますので、「もしよければ1on1しませんか」「もし問題なければ一緒にこういうことをしませんか」と提案しています。スタッフの方にはそれに乗っていただいている、というのが我々の気持ちです。御社のスタッフの方にはコミュニケーションを大事にしているということをご理解いただけていることが、非常にありがたいと思っております。

――お話を聞けば聞くほど、良い環境だと感じますね。弊社としてもスタッフを大事にしていただけるので、非常に安心して送り出すことができます。

社内に留まらないコミュニケーションの広がりが生むシナジー

――その他、今後弊社スタッフに期待すること、またはIMAGICA GEEQに期待することはありますか。

福永氏: 我々とも1on1や、チーム内でコミュニケーションを取らせていただいているので、そこで出た情報は御社内で他のスタッフの方や担当営業の方と、ぜひ意見交換をしていただければと思います。そこから新たな情報が得られた場合には、ぜひこちらへフィードバックいただけますと幸いです。

やはり対話を重ねれば重ねるほど、相手の理解や気づきが得られるので、そういったところでよりお互いに切磋琢磨できる環境が構築されれば、他社にはない強み、いわばシナジー効果が生まれるため、そういったところに非常に期待しています。

これは課題と表裏一体なのですが、正直に申しますと、大きく分けると2つのタイプがあります。1つは所属元に入社してすぐにこちらに来ていただく方。そうすると所属元の会社のポリシーや動き方といったものがなく、我々と思考が一緒だったり、こちらからお願いする業務の範囲内で頑張っていただける、いわば「良くも悪くも色がない」方になってしまうことがあります。

もう1つは、所属元で長年いらっしゃるベテランの方。言って良いことと言えないことを、分けていただくのはありがたいのですが、ある程度情報交換した方がいいものも、「MIXIの人間ではないので」と言って口をつぐまれてしまうと、なかなかこちらも深追いはできないので、コミュニケーションがあまり発展しないという、この2つのケースは、よく見受けられます。その部分が御社は、良い意味で非常にフランクで、コミュニケーションが取りやすいので、引き続きよろしくお願いいたします。

――引き続き、良い人選ができるようにしたいと思います。

ゲーム愛だけではない、高い採用基準と最適なメンバー調整

――次は、御社から弊社へのご質問を頂戴できればと思います。会社に関することや運用についてなど、どんなことでも構いませんので、もしあればお聞かせください。

福永氏: いくつかありまして、一つは「ゲームに強い方」を採用しているのか、あるいは「ゲームにしっかりと興味がある方」を採用していらっしゃるのかと感じておりまして、その点は意識されているのでしょうか?

――そうですね、採用にあたっては採用基準を一般的なラインよりも高めに設定して、職歴やスキル経験を確認いたしますが、プライベートでどのようなゲームをプレイしているか、どの程度ゲームに触れているかも、意識して確認しています。また、人材のアサインにおいては、案件内容にもよりますが、できるだけその案件に適した、いわゆる「ゲーム愛を持てる人」を考慮して、人選を行なっております。

福永氏: 確かに「モンソニ!」の件もですが、同じようなジャンルのゲームをされたことがある方や、本当にプライベートでゲームが好きな方を、丁寧にプロフィールを添えて紹介していただけるのは、非常に安心感があります。「ではお願いしてみようかな。技術的な部分については、一緒に働いてみないとわからないところもあるけれど」と思えるのだと思います。

――ありがとうございます。御社へのアサインにあたっては、スキルはもちろんのこと、その中でさらに御社に合ったコミュニケーションが取れる人や、雰囲気が合う人を選ばせていただいています。

福永氏: 本当に無茶なお願いばかりして…

――いえいえ。直近でいえば、「モンソニ!」が、弊社のメンバーだけで任せていただいているので、しっかり貢献できていれば良いなと思っています。

福永氏: そうですね。本当は最初、増員する予定がなかったのに、人が必要かもしれないと言っていただいたり、実際に増員が確定した時も、速やかにご対応いただいて。後から入っていただいた方も、非常にご尽力いただいて、非常にありがたいです。また、皆さんそれぞれに個性や強みがあり、非常に心強いです。

――それぞれの個性や強みでいえば、最後にアサインさせていただいたスタッフは恐らくザ・デバッガーだと思います。ただ、他のメンバーが責任を持ってフォローできると思いアサインさせてもらいました。

福永氏: そうですね、自分の思ったことを意見として伝えてくれますし、いろいろなことに対してニコニコと対応していただけるので、「ちょっとこれお願いしてもいいかな」といった場面でも、コミュニケーションが取りやすいのではないかと思っています。

――ありがとうございます。社内でも安心して任せていますが、何かございましたらスタジオまでお知らせいただければ幸いです。

福永氏 そういうときにはぜひ弊社のスタッフと一緒に、コミュニケーションを取らせていただければと思います。

――そうですね。よろしくお願いします。

福永氏弊社スタッフと一緒にチームの立ち上げから関わってもらったプロジェクトですが、最近はそのスタッフに任せることができています。自分のチームを持ったことがないスタッフでしたが、御社側のサポートが手厚いので、主にテスト管理面に専念できているのではないかと感じています。最初の立ち上げ時はもっと自分が関わっていましたが、今年に入って、2月か3月からは「自分はもうできる限り関わらないようにするね」と伝えてあって、ここ2〜3ヶ月ほどは、自分の方に困った相談や、「どうすればよいか」といった問い合わせがほとんどなくなりました。安定して業務に取り組んでいただいていて、本当にご助力あってのことだと実感しております。

――本人達からの話を聞いている限りでは、メンバー同士で良いように、立ち回ることができているのだと感じております。

福永氏そうですね。御社スタッフには、他者に柔らかく説明したり、実際にテスト設計を行なったりと、円滑に進めてくれている方もいれば、もうお一人の方は企画職などにもきっちりと意見を伝えて、折衝のような調整ごとを行ってくれるので、QAにとって必要な情報などを上手く引き出してくれていると感じています。ここでも、それぞれの持ち味をうまく使い分けていただいていると感じています。

――バランスのいいメンバーをアサインできていてよかったです。
営業からは「良い人を調整してほしい」とすごく言われています。スタジオとしては「そんな良い人はもういないですよ」と思いつつも、御社は働きやすい環境ですし、 実際に人材を配属させていただくと、大きく成長して戻ってきてくれるので、弊社としても人選にはより力を入れています。今後もご要望があれば、可能な限り調整させていただきます。

福永氏ありがとうございます。

円滑なコミュニケーション能力の秘訣

福永氏次に、これまでのお話とも関連しますが、御社から来ていただいているスタッフの方々は、初対面の方やQA以外の職種の方々との対話においても、自ら積極的にコミュニケーションを取れる方が多いと感じています。大抵の場合、企画や開発といった方々との対話は、コミュニケーションの面でネックになりやすいのですが、何か秘訣があるのでしょうか?

――そうですね、コミュニケーションを重視しているところで、入社時の研修などでもまず「不明点は必ず確認・質問する」ことを徹底しています。また、大人数のチームに1人で配属されることが多いため、できるだけ質問しやすい環境・雰囲気作りを重視しています。
よく「リーダーなどが忙しくて話しかけづらい」ことはありがちなので、そういったことを避けるために、サブリーダーを配置したり、新人研修担当を別途設定したりしています。初心者が作業や質問をしやすいよう、配慮した環境づくりを意識した雰囲気作り、関係作りをしているので、気軽に質問・確認できる風土は、比較的根付いているという印象を受けています。

福永氏参考になります。我々も、繁忙期が続くと、質問しづらくなる場面が増えます。「ちょっと後で」などの返答が2〜3回続くと、意気消沈してしまったり、積極性が失われてしまうので、十分に留意したいと考えています。やはりメンターは、適切に育成した上で、配置したいと思います。

QAサポートにおけるAIの可能性/自社開発の自動化ツール

福永氏また、やや踏み込んだ内容になりますが、弊社では今年からAI推進を本格的に進めております。そこでお伺いしたいのですが、人的リソースの活用だけでなく、効率化や自動化といった技術的手段において、御社が現在注力されている取り組みがあれば教えていただけますか?

――弊社のQAサポート部内には、システム班という独立したチームがあり、社内インフラの整備やAIの研究、作業効率や精度向上を目指した各種ツールの開発を行っています。各案件から要望やオーダーがあれば、対応可能な範囲で自分たちでツールを作成し、対応しているケースもあります。たとえば、PDFデータや画像データからテキストデータを抽出し、比較チェックを自動化するツールや、特定情報を抽出するためのツールなど、各工程における効率化を図る目的で開発しています。さらに、繰り返し作業を自動化するマクロ機能を備えたツールの開発にも取り組んでいます。

福永氏なるほど、ありがとうございます。おっしゃる通り、全体を一括で自動化するのは難しいと感じます。業務単位やパーツごとに段階的に効率化を図る、という方向性ですね。

――現時点では、業務単位での自動化に留まっていますが、より上流工程においてもご協力の機会をいただけるようであれば、AIを含めた取り組みも視野に入れ、今後検討を進めていく予定です。

福永氏ありがとうございます。ツールとまではいかないのですが、事前検証のテスト項目書をテンプレート化していただけたのは、非常に助かりました。

――そうですね。最近では、イラスト検証やテキスト検証を事前に実施するケースも増えており、素材段階で確認を行い、実装後は簡易的なチェックで済ませる運用も多くなってきたように思います。

実装スケジュールに左右される部分はありますが、その方が効率的である場合が多い印象です。

個人の経験が相互に生かせる信頼関係

福永氏「どのフェーズではこういう作業をして」といった形で、業務を明確に切り分けて対応していただいているので、その運用方法はモンスト側でもぜひ参考にしたいと感じました。

――おそらくスタッフたちも、事前検証を実施する案件に入っていたので、そこからヒントを得て提案したのかもしれません。

福永氏過去のご経験を有効に活用していただけるのは、大変ありがたいです。

――逆に、スタッフも最初に御社へ伺った際には、とても学びの多い経験だったと申しておりました。 「このくらい細かくコミュニケーションを取ると、認識齟齬もなくなる」ということを体験して、社内でも活かしたいと話していたことがあります。弊社のスタッフにとっても非常に学びの多く、作業がしやすい環境であると感じています。

福永氏環境という点で特徴的なところですが、弊社内ではプロダクトを立ち上げて運用するにあたって、明確なフローや手順といったものが存在せず、プロジェクトマネージャー(PM)の裁量に一任されていて、「PMがやりやすいようにやっていいよ」というスタンスで進めています。そうすると、入ってくる方も対応方法を柔軟に変えなければなりません。御社のスタッフの方にはそうした状況に的確に対応していただいていることが、非常にありがたく感じております。言い換えれば、円滑なコミュニケーションが図れるからこそ、「明確な形がないので、ではQAの方のご提案に沿って進めてみよう」という形になりやすいのだと思います。

その中で当初から来てもらっている3名は、特に現場でモンストに関して意見を出してくれている印象がありますし、モンストのイラストQAという、一般的なテストとは異なる専門的な領域を主に担当してくださっている方もいらっしゃいますが、その方が後から思いついた改善案についても、「こういうのはどうでしょうか」と提案してくださる点は非常にありがたく感じています。「品質の維持」というと良く聞こえますが、「業務のやり方の維持」というと、むしろ後退する可能性があるので、状況に合わせて改善していただけることがとても、ありがたいです。

正しい伝え方でお互いの熱量を理解する

――的確に意見を提案できているようで安心しました。たまに言って良いことと悪いことの区別がつかない方もいて、弊社としては教育時にかなり気を使って指導しております。

福永氏御社が教育に力を入れていることはスタッフさんの反応からも伝わってきます。
御社のスタッフの方は、初対面の、お互いの温度感を測るタイミングでは、多少の掛け違いがあるかもな…という事はあっても、軽いフィードバックを行うだけで、即座に見直していただけます。御社が的確にフィードバックを行い、真摯に対応いただいていると感じており、非常にありがたく思っております。

――力を入れている教育部分でご評価を頂けるのは大変ありがたいですが、今後の人選のハードルが上ってしまいますね…。

ただ、発言の内容によっては、伝え方を変えるだけで、良い提案に変わることは多々ありますので、今後も気を付けていくように指導していきます。

福永氏本当におっしゃる通りです。そこに熱量を持ってくれている、ということ自体は、やはりお互いに理解したい部分であると感じます。

――ちなみに、現在、入らせていただいているスタッフはその点、問題なく取り組めておりますでしょうか。

福永氏はい、周囲に十分配慮した発言をしてくださっている方がほとんどだと感じております。非常にありがたく思っています。

――それは何よりです。本日いただいた内容については、タイミングを見つけて本人たちにフィードバックさせていてだきます。

お互いの意見交換が、挑戦と熱意に火をつける

福永氏ただ、言いにくいこともあると思います。例えば営業担当にのみ聞こえるような、スタッフの方が言いにくそうにしている内容や、事実をベースにした、合理的で正当な指摘であるにもかかわらず、受け入れられなかった場合など、ぜひご指摘いただければと思います。我々もしっかりと見直します。

――御社に対する否定的なご意見はあまりありません。「意見しやすい」という話しか耳にしません。

福永氏実際には、ご意見をお持ちの方もいらっしゃると思います。

――どうでしょうか…。

福永氏先ほど申し上げたように、十数年も経つと、聞こえてくるんです。やはり「凝り固まっている」部分もあります。ベテランの意見が絶対視されてしまい、意見を言いにくいと感じる方もいらっしゃると思います。そういった場合には、言いやすい方に伝えていただく、もしくは直接言っていただければ、決して無下にはしませんので、是非ともご助力いただけると幸いです。「働きやすい」と感じていただけるのはありがたいことですが、むしろ私たちとしては「変えていってほしい」と思っています。 こちらがヒヤヒヤするぐらいに、「こんなとこも変えなきゃいけないのか…頑張らなきゃ」というように、火を付けていただけると、ありがたく思います。

――では「もう良いのは分かったので、変えたいところを言ってほしい」と伝えておきます。

福永氏正直なところ、苦労されている方も少なくないと思います。最近では、チームが変更になった方もいらっしゃいます。そうするとモンストの仕様を改めて覚え直さなければならず、ご負担も大きいかと感じています。こちら側も、教育体制がまだ十分に整っていない部分もございますので、もしお気づきの点があれば、ぜひご遠慮なく、フィードバックをいただけますと幸いです。

――承知いたしました。本日は本当にありがとうございました。

福永氏こちらこそ、ありがとうございました。