QAサポートサービス:デバッグサポートツールによる効率化

更新日:2023/04/17

ソフトウェアテスト/第三者検証とは実際にどういったことをやっているのでしょうか。
今回は作業のやり方と効率化などの取り組みを具体的に説明しようと思います。

テストはどのように実施するのか

テストは計画、設計、実装、実行などいくつかのプロセスがあります。今回はソフトウェアテスト業界にいれば誰しもが必ず経験するであろう“実行“部分について、一体どのようなことを行っているのかをご紹介します。

テストの内容は多岐に渡りますが、分かりやすいようにゲームで例えてみますね。
作業の一つに仕様書との相違がないかを確認する作業があります。

  • 画面遷移が間違っていないか
  • グラフィックの表示がズレたり欠けたりしていないか
  • 各機能の挙動が正しいか
  • テキスト内容に誤字/脱字やストーリーの矛盾がないか
  • BGMは正しく鳴動しているか

これは確認するべきほんの一部なのですが、膨大な量を一つずつ手作業で実行して目視で確認していきます。
最近のゲームはオープンワールドだったり、キャラメイクが豊富にあったりしますので、テストする内容が山のようにあるのが分かりますでしょうか。

これらが正しく動作していないと、もしかしたらこんなゲームになるかもしれません・・・・・

  • メニューウィンドウで「アイテム」を選択したのに、「スキル」画面が表示される。。。
  • Aというキャラクターが喋っているのに、Bのキャラクターが表示される。。。
  • テキストの表示速度を「最速」にしているのに、ゆっくり表示される。。。
  • 1章で死亡したキャラクターが、2章では生きている前提で話が進む。。。
  • 悲しいシーンなのに、楽しいカジノでのBGMが再生されている。。。

書いていて思いましたが、本当に上記のようなバグ・不具合があったら無茶苦茶なゲームになっちゃいますね(汗)
と、とにかくテストという物はとても膨大な確認対象を一つずつ地道に実行していくという作業が大半を占めています。

総合デバッグサポートツール『debacon(デバコン)』とは

地道な作業が多い業務ですので少しでも効率的に作業をして、テストの精度を上げたいと思い、GEEQのQAサポートサービスではいくつかのツールを開発しています。
その一つが『debacon(デバコン)』です。

ソフトウェアテストでは様々なエビデンス(証拠や検証結果)をクライアントへ提出する必要があります。
それらは画像であったり、動画だったりログデータだったりと様々ですが、各データを提出するための準備(サイズを整えたり、必要な箇所だけを切り取ったり)が割と手間だったりするのです。そこでdebacon(デバコン)の登場です。debacon(デバコン)はテスト作業を支援するツールが一つに集約された物になります。(開発者曰く十得ナイフのような物だそうです)
いくつか機能を紹介しますね。

画像変換

画像データをドラッグ&ドロップするだけで指定のサイズ・アスペクト比・複数画像の連結・
角度・拡張子に自動で変換してくれます。

動画変換

動画データを指定の拡張子・画面の回転・切り取りなどが行える機能です。
 指定したファイルサイズを超えないように変換も可能(開発者が一押しの機能!)

アプリインストール

iOSの「.ipa」形式、およびAndroidの「.apk」「.aab」拡張子のアプリをインストールする
ことができます。
 本機能があれば、iOSのアプリインストールにMacは必要ありません。

スクリーンショット

iOSおよびAndroidデバイスのスクリーンショットを撮影することができます。
 デバイスによって撮影ボタンが違うことで発生する手間(機種が多すぎて何気に面倒臭い)や、
PCに転送する手間を短縮することができます。

画像色覚シミュレーション

画像を1~3型色覚それぞれの色の見え方に変換します。
 色の見分けがつきにくいことで不利益が発生しないかを確認します。
 (例えば、パズルゲームで形は同じだけど色の見分けがつきにくいことによって、パズルが揃
えづらいといった仕様に気づくことができます)

その他にも画像軽量化、動画撮影、ストップウォッチ、ログ保存、クラッシュレポートの保存、空き容量を埋める、リモート操作・・・・・。様々なツールがdebacon(デバコン)で管理されています。

『debacon(デバコン)』の導入による効率化

集約されたツールがあることでどういった効果が生まれるのか。

  • 新入社員への教育時間(ツールの使用説明など)が短縮される。
  • とりあえずツールを使用したければdebacon(デバコン)を起動すれば良いので悩む必要がない。
  • 各ツールが直感的な操作で扱えるので、操作時間が短縮される。
  • 提出するデータが画一化できるので、お客様も確認がしやすくなる。
  • 各ツールのバージョン管理を一括で行える。

一つ一つは少しずつの短縮でしかありませんが、塵も積もればという感じで最終的には大幅な効率化となりテストに専念できる時間も変わるのです。


例えば1つのエビデンス(証拠や検証結果)をどのツールを使うかを考えるところから始まり、提出できる状態までに調整するのに約10分かかるとしましょう。
debacon(デバコン)を利用することで約2分の短縮が可能だとします。


1人が1日に5個のエビデンス(証拠や検証結果)を提出するのであれば、5個×2分=10分の短縮となります。
これが10人チームだとしたら、10人×10分=1日100分の短縮。
1か月(20日間)のプロジェクトだとしたら、20日間×100分=2000分の短縮。
1年間続く運営型のプロジェクトであれば、12か月間×2000分=24000分の短縮。
つまり400時間の短縮となり、その効率化された時間をテストに専念することができるのです。

まとめ

テスト実施のやり方について地道で大変なことがイメージできましたでしょうか。私がソフトウェアテストの業界に入った頃はとにかく人海戦術という言葉がピッタリと当てはまる世界でした。PCが一人一台支給されていないような環境も大昔は当たり前でしたね(汗)
項目書の内容を一つ一つ実施して紙のレポートを作成して、伝わり辛いようなら絵を描いたり開発者へ直接口頭で説明しに行ったりもしていましたよ。
それが現在では『debacon(デバコン)』のようなサポートツールもあり、かなりの効率化が行えています。

今後もGEEQのQAサポート部では『debacon(デバコン)』のバージョンアップを行うことによってサービスの向上へと努めて参ります。
常にユーザーとお客様のことを考えて作業に臨んでおりまして、様々な経験を積んで精進しております。
今後もさらなるサービス向上へと邁進していく所存ですので、ソフトウェアテスト・第三者検証でお悩みが御座いましたら、お気軽にお問合せよりお声がけください。